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ショート・トラック・スピードスケートを10倍楽しもう
ショート・トラック・スピードスケートの歴史
ショート・トラック・スピードスケートはイギリスで「アイスホッケーやフィギアスケート用のリンクでもスピードスケートが行えるのではないか」との考えから始まりました。そして、1938年に世界で初めての競技会が行われました。
オリンピック大会に関しては、1990年のアルベールビルオリンピック大会で初めて正式種目になった新しい競技で、長野オリンピック大会は第3回目のオリンピック大会ということになります。
ショート・トラックのレース
ショートトラックのレースは数名の選手が同時にスタートして、着順を競い合い、上位の選手(通常1位、2位)が、予選、準々決勝、決勝というように上のレースに勝ち進んでいきます。選手はレースとレースの間に20分間の休憩時間しか与えられません。その意味では、疲労回復の早い体質や体力の持ち主が有利になる競技でもあります。
トラックについて
30m×60mのアイスリンクで1周 111.12 mの楕円形トラックを使用します。スタートライン、フィニッシュラインの他はラインの表示はなく、カーブは移動式の7個のプロックを置いて作成されます。特に、カーブはレースごとにアイスリンクの表面が荒れるので1回1回のレースごとに変えて行われます。
カーブ部分のブロックの置き方は、図1に見られるように、コーナーのレーンが1m 間隔でずれるように作成されています。
種目に関して
ショートトラックには距離別の個人競技とショートトラック独自のリレー競技があります。個人競技は男女とも500m、1000m、1500m、3000mの4種目で、リレー競技は女子3000m、男子では準決勝までは3000mで行い、決勝レースでは5000mで行います。オリンピック大会では男女ともに500m、1000m、リレーが正式種目となっています。
ユニフォーム
ショートトラックは4~6人が一緒に滑るため危険がいっぱいの競技です。だから安全のためにヘルメットや手袋をつけなければなりません。そしてユニフォームの下(隠れて見えませんが)のすねと膝にぶつかっても痛くないように、バットをつけています。
スケート靴は、小さなトラックをとても速いスピードで滑走するために補強されており、エッジの取り付け位置も標準のスケートより少し内側に固定されています。
勝敗のポイント
一瞬たりとも気の抜けない500mでは、スタートと同時に、お互いの位置とスピードを読み合いながらレースが展開されます。その緊張感あふれるレース展開がショート・トラック・スピードスケートの魅力であり、醍醐味となります。
また、レースでの駆け引きがとても重要であり、相手を揺さぶるための中盤でのダッシュ力やレースの流れを読む適応力や予測の能力が問われる競技ということになります。
スタートに関して
陸上競技のレースではアウトコースの選手はインコースの選手より前に出て、スタートすることができます。しかしショートトラックのスタートでは選手が一直線上に並びます。つまり、アウトコースの選手はインコースの選手よりコーナーにはいるまでに長い距離を滑らなければならず、不利であるといえます。
コーナーリング
オリンピック大会に出場しようとするレベルの選手は1週を9秒前後で滑走します。そして、平均時速は43キロもの速いスピードでコーナーリングを行います。
選手はカミソリのように薄く長いサイドエッジに全身を乗せ、アイスリンクの表面に対して30度くらいまで体を傾けて滑ります。つまり、大きな遠心力に耐えながらカーブを回るために高度なテクニックが要求されるのです。
遠心力
どうして、世界の一流選手はそんなに速いスピードでコーナーを回ることができるのでしょうか。
それは、身体を外にはじき飛ばしてしまおうとする遠心力に対して、身体を内側に傾けて抵抗しようとする強い求心力を、選手自身が作り出しているからです。それで、そのような速いスピードにも耐えることができるのです。(図2参照)
ショート・トラックがいかに大変な競技であるか、ひと目でわかります。